2000年 第1回賛展

2000年10月31日〜11月5日

この作家はおそらく60、70年代のミニマルやコンセプショシュナルに触発されて、
そこから出発したのであろう。
しかし彼の作品には、それら千例とは本質を異にするものが現われている。
何よりも、これらのフォルムは無機的機械的ではなく、その反対に有機的バイオ
モ―フィックである。
その上先例を見ない明暗の効果。ここには座禅の宇宙論的な世界観照がある。
これらの作品は、喧噪にみちた現世代にあって、あたかも維摩居士の寡黙如雷
あるいは良寛禅師の天上大風のような、音のないシンフォニーである

中村二柄

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